肺炎を引き起こす新型コロナウイルスの感染者が県内で初確認された。沖縄で今後、感染が拡大する可能性はあるのか。県民はどう備えるべきか。県医師会の宮里達也副会長は17日、八重山日報社の取材に「今後、沖縄でも流行する可能性が高い」との見通しを示すとともに、大規模感染を抑止し、医療崩壊を防ぐことが必要との見解を示した。不特定多数が集まる大規模イベントの自粛も呼び掛けた。
―沖縄で新型肺炎が流行する可能性はあるのか。
「新型コロナウイルスで一人の患者から感染する人数は、インフルエンザと同程度の2~3人と言われていたが、最近では6~7人という話も出ている、医療関係者の常識としては、今後、流行という状況になっていく可能性が高い」
「沖縄で、どれくらいの規模で流行するかは予測できない。ただ中国武漢のように、いっぺんに大勢の患者が出ると、医療機関が対応できなくなる」
「新型コロナウイルスが流行する速度をなるべく遅らせ、規模を小さくして、長期戦に持ち込むほかない。感染拡大をコントロールするには、一度に多数の感染者を出すことを防ぐため、不特定多数が集まる大規模な集会は控えてほしい」
「症状がある人は外を出歩かず、家で休んでほしい。本土の例で、熱があっても仕事が忙しいからと無理をして、数日出勤した患者がいることが報道されている。これは絶対やめてほしい。人々の行動制限は経済的にも大変だと思が、県が具体的な基準を示すべきだ」
―感染防止策は。
「外出後の手洗い、うがいは非常に重要。ウイルスが付着した指で顔や目を触ってうつることもある。頻繁に手洗いしてほしい」
「マスクは感染者が着用し、ウイルスを拡散させないようにすることが一番の効果だ」