【金波銀波】歴史「に」学ぶ。「を」ではない。…

 歴史「に」学ぶ。「を」ではない。歴史というものは、単なる知識の対象でなく、生き方を学ぶ(まねる)場でありたい◆17、18日の両日、全国の凧愛好家らが武漢ウイルス終息への願いを込めて各地で一斉に凧を揚げた。平城宮跡管理センターが奈良時代の歴史に因んで企画し開催したものだが、その歴史の一端を示す『続日本紀(しょくにほんぎ)』に触れてみた◆同書は現存する最古の正史『日本書紀』に継ぐ正史である。735年や737年には豌豆瘡(えんどうそう。天然痘)により国民が数えきれないほど死亡したことが記されている。第45代聖武天皇はカミガミへの祭祀、疫病退散の祈祷、免税、薬と食糧の配給、大赦などによって国難に対処したようである◆注目したいのは、災害や天変地異を「不徳の招き」と自己に反省し、寛大で慈しみ深い「心」をもって民を救おうとしている点である。1300年後の上皇陛下にあっても、歴代天皇の精神と伝統を祖述すなわち受け継ぎつつ発展させ、ついに譲位なさったことは、衆目の一致するところである◆「文化とは生き方である」と説いた先人がある。悠久の歴史、歴史に支えられた文化。歴史「に」学ぶとは、自己「に」反省する基準へのヒントを、探究することでもある。   (S)

関連記事

八重山日報公式Twitter

ページ上部へ戻る