石垣市は17日、尖閣諸島の歴史や自然環境などを発信するため募集している「ふるさと納税」に1日から16日間で約1800万円の寄付金が集まった、と発表した。中山義隆市長は、将来的な「尖閣諸島資料館」建設に意欲を示し「石垣島で継続的に情報発信できるような施設を造りたい。国に設置をお願いしているが、まずはできるところから始める」と述べ、寄付金を資料収集などに活用する考えを示した。
寄付件数は752件。受け付け開始後、寄付金は最初の1週間で100万円ほどだったが、中山市長が10日、インターネットのニュース番組に出演し、ふるさと納税の取り組みをアピールしたところ、急激に増え始めたという。
中山市長は「大変多くの皆さんから反応があった。国民の尖閣諸島に対する関心は高い。しっかり活用したい」と感謝。資料館の意義について「石垣市には尖閣に関する資料を体系的にまとめて展示する場所がない。海外客などの観光客にも見てもらい、海外にも尖閣に関する事実を知らせたい」と強調した。
資料館建設には、国や尖閣に関する寄付金約14億円を所有する東京都に協力を仰ぐ考え。「尖閣諸島が厳しい状況なので、本格的な資料館ができるのを待っていられない。まずは資料収集や情報発信に早急に取り組みたい」と述べ、改めてふるさと納税への協力を呼び掛けた。
市は来年1月14日、恒例の「尖閣諸島開拓の日」式典を石垣市民会館中ホールで開催する。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、従来1時間40分ほどだった開催時間を40分ほどに短縮。招待者のみの参加とする。
政府の領土・主権展示館(東京都千代田区)による地方巡回展が式典に合わせて開催されることも決まった。期間は1月14日から17日まで、会場は市民会館展示ホール。中山市長は「石垣市では見たこともない貴重な資料もある」と観覧を呼び掛けた。