【金波銀波】先日、運転免許証の初回更新者講習に行ってきた……

先日、運転免許証の初回更新者講習に行ってきた。「運転にはその人が出る」とよく聞くが、講習を受けながら、確かに、と深く肯いた◆認知、判断、操作―。危険予測の項目で運転時の行為を解説する際に出てきたが、これを人を形成する要因として考えてみる。それをそれと認め、ある基準に照らして意思し、実際に行動する―◆ある物事を知りその本質を理解することを「認識」というが、まずここで躓(つまづ)く。見る主体と見られる客体を分離し、他の客体や主体の経験・知識と比較することで客体との距離をとる。しかしそれをそれと「思い込んで」生きているのが現実であり、何をどう認識するかがその人の世界となる◆次に躓くのが判断の基準である。一体人は何を基準の基準、そのまた基準とするのか。この無限後退を止めるため、伝統、道徳(心)、主体の経験・知識に頼るのだが、さて、認識と判断基準に用いるそれらの深化への努力を、我々は日々、自覚的に行なっているだろうか◆「知らずして知るとするは病なり」(老子)―。講習では危険予測について「かもしれない運転」を勧めていた。人は思い込む。病を病と知らないことこそ、本当の病なのである。諸現象に一喜一憂する前に、己の「無知」を自覚したい。       (S)

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