琉球銀行(川上康頭取)は12日、石垣島、宮古島、久米島でキャッシュレス決済(カード決済)ができる環境を整えるため、クレジットカードなどの利用可能店を増やす開拓業務を、3島の商工会議所(商工会)や観光協会に委託すると発表した。増加する海外からの観光客による消費を促し、キャッシュレス化を拡大させる必要があるが、離島3島には対応している事業者が少なかった。
琉銀は「VISA」や「Master Card」などのライセンス業者で、カード発効と利用可能店舗の開拓業務も行っている。事業所の紹介を商工会や協会に求め、契約は琉銀が行い、加盟店の増加を目指す。カード決済は専用端末で行う。専用端末では1台で22ブランドのカードが利用可能。中国の3大決済サービス(Alipay・WeChat・Payment)や国内電子マネーなどにも対応している。サービスは同日から。
利用手数料の一部は、還元され資金醸成に繋がるため、協会・商工会にはメリット。新規開拓は会員企業・事業所などを対象にできる強みがあり、琉銀にとっても代理業務を任せられる。3島合計で2千600の事業者への営業が可能。来年3月末までに約170、1年で約300の加盟店増を目指す。3離島の事業者にとっては、カード払いを行う外国人観光客による消費を促す利点がある。
他県のカード会社と契約した場合、手数料は県外に流出するが、琉銀の仕組みでは、地元沖縄へ還元される。
川上氏は「地域でキャッシュレス化や地方創生が進むが、具体的な形で進める先進的な事例だ」と説明。離島には最近、中国や台湾以外にも、欧米、アジアからも観光客が増えているとし「外国人観光客は現金を持ち歩かない。いい商品があっても、支払う手段がない」と述べ、このサービスの活用で事業者の売り上げは増えると強調した。