新型コロナウイルス特別措置法に基づく緊急事態宣言が首都圏に発令された影響で、竹富町の島々では観光客の減少が目立っている。観光関連業者の間では、臨時休業を決める動きが広がっている。
このうち竹富島では、観光バスを運行する竹富島交通が15日から来月7日まで観光バス部門をすべて休止する。同社の上勢頭篤専務は「医療体制が脆弱な竹富島にコロナを流入させるわけにはいかない」と理由を話した。
上勢頭氏によると、今後の団体ツアー客はほぼすべてキャンセルになり、15台ある観光バスのほとんどが動いていない状態だという。
同社では昨年4月の緊急事態宣言をきっかけに利用者が激減していたが、政府のGoToトラベル事業開始以降、徐々に観光客が戻り始め、11月には例年とほぼ同水準まで回復していた。
観光客に人気の水牛車観光を運行する竹富観光センターと新田観光も臨時休業を決めた。竹富観光センターの統括主任、平塚昌樹氏は「休業期間は12日から来月7日までを予定しているが、今後の状況により判断する。全国的な感染拡大と利用者の減少により休業を決めた。小さな島に感染を広げるわけにはいかない」と理解を求めた。
新田観光の代表、新田長男氏は「13日から休業し、再開は今後の社会状況などを踏まえて判断する。首都圏以外の地域でも感染拡大が続いていることが心配。こういう状況では旅行者も気持ちよく楽しめないと思うので、どうか理解してほしい」と話した。また「経営的には大変厳しく、行政には一刻も早く感染を収束させるために努力してほしい」と求めた。
レンタルサイクルや飲食店、宿泊施設などでも、臨時休業を始めたり、予定しているところがあり、離島を訪問する際は、確認が必要だ。
(隅田賢通信員)