新型コロナウイルスの感染拡大で、平常時は多くの観光客でにぎわうユーグレナモールは閑散とした日が続いている。昨年の緊急事態宣言以来の苦境再来となったが、県の営業時間短縮要請に応じる飲食店とは異なり、他の観光関連業種に補償はなく「私たちにも支援を」という声も上がっている。
22日、ユーグレナモール内を歩く人の姿はほとんどなく、周辺の店舗内ではスタッフが事務作業や店内整理をしていた。
県は19日に3回目となる緊急事態宣言を出した。県の要請に基づき、飲食店の営業時間はこの日から午後8時までに短縮された。要請に応じた店舗には県の協力金が支給されるが、飲食店以外の観光事業者に補償はない。ユーグレナモール内でアクセサリーを中心とした雑貨店を営む女性は「一日に1~2人しかお客さんが来ない。飲食店だけでなく、私たちにも補助金があればと思う」と訴えた。
土産店の女性オーナーは「今は利益ではなく従業員を守ることが優先。雇用調整助成金はありがたかったが、行政の補助は条件が合わないことも多く、あまり期待していない」と話す。
別の土産店の女性店長は「3回目の緊急事態宣言が出るとは思わず、昨年12月に商品をたくさん仕入れてしまった。利益を出すことはもうあきらめている」と不安な思いを語った。市内で関連店も含め3店舗運営していたが、2店舗は閉店したという。
売り上げの減少に苦しむ土産店は、商品を半額近くに割り引きして販売するなど、あの手この手で収入確保を図る。売り上げを出すことよりも、商品が余ることによるマイナスを少しでも防ぐことに必死だという。