観光目的税制度の導入施行に関する検討委員会の下地芳郎琉大教授・委員長は20日、県庁に文化観光スポーツ部の嘉手苅孝夫部長を訪ね、可能な限り早期に導入することなどを盛り込んだ提言書を手渡した。提言書では課税対象は宿泊行為で宿泊者にすることや、納税義務者がホテルなどの宿泊事業者であることを定め、税額は、宿泊料金が2万円未満なら1人1泊につき200円、2万円以上なら500円とした。
「沖縄が観光リゾート地として発展し、県民生活と調和するための施策の費用に充てるため」が同税導入の目的。
提言書では広域的な観点に立ち、市町村連携なども踏まえ、税収を配分する必要性も指摘している。各事業への維持管理費にも充当すべきとも明記。新税管理を目的にした基金を作ることや、費用活用の検討・検証を行う体制の整備を求める記述もある。
これを受け、嘉手苅氏は県庁内の関係部局で議論するとし「広く周知し、県民に向けた説明会やシンポジウムなどを開催したい」とし、導入に向けた環境整備を行うとした。同席した検討委の委員からは、納税義務者や観光客、県民が新税導入に満足できる仕組みづくりを求める声があった。
県内では、入域者が国内外から増え続け、一部では多すぎる観光客により、県民生活などに支障が出ているとの声があり、県は同税の導入を検討。昨年9月10日から検討委がスタートした。
県が導入する新税に適した税目とその時期や、制度詳細や使途事業、留意事項などについて論議していた。下地氏は沖縄観光が目指すのは高付加価値化だとし、地域住民の満足度を高める必要性もあるとしていた。