新型コロナウイルス感染拡大に伴う「GOTОトラベル」停止や緊急事態宣言の影響で、八重山地区の観光関連事業所では休業や営業時間短縮の動きが拡大している。新型コロナの影響は長期化しており「観光業者の頑張りも限界に近づいている」と指摘する声も上がる。
石垣市観光交流協会が会員315社を対象に実施した調査によると、30カ所以上の営業形態に影響が出ており、22日現在、ホテル2カ所が休業している。ホテル内の飲食店も休業や時短が相次いでいる。
バス会社の観光バスが運休または一部運休し、タクシー会社は1カ所が夜間から早朝にかけて運行を停止した。船会社も定期航路の減便や時短に踏み切っている。
レンタカー業、マリンレジャー業、旅行会社、土産物店、観光施設にも休業や時短が広がっている。同協会会員以外も含めると、休業や時短に踏み切った事業所はさらに増える。
竹富町観光協会は27日現在、ホームページで町内の観光関連事業所50カ所の休業や時短を公表している。内訳は西表島29カ所、竹富島8カ所、小浜島7カ所、黒島3カ所、鳩間島2カ所、波照間島1カ所で、町内の観光関連事業所はほとんど稼働を停止した。
与那国町観光協会によると、27日現在、把握している限りで民宿1カ所が同日から1週間休業、飲食店5カ所が時短を実施している。
八重山を訪れる観光客数は昨年4月~5月も国、県、市町による緊急事態宣言の影響で前年の1割前後に急減。多くの観光関連事業者が休業を強いられた。その後は「GOTО」の効果で持ち直したが、12月の「GOTО」停止や今月の緊急事態宣言再発令で冷や水を浴びせられた。
市観光交流協会の西仲野正巳事務局長は「緊急事態宣言が延長される可能性もあり、先行きは不透明。特にインバウンド(外国人観光客)は今年もほとんど見込めない」と危ぐ。
その上で「時短の飲食店には協力金があるが、他の観光関連事業所には全く支援がない。営業を維持できているところも人件費が重くのしかかっており、民間の頑張りも限界に近づいている」と話し、飲食業以外も含めた観光関連事業者に対する国の支援を求めた。