竹富島地域自然資産財団(上勢頭篤理事長)は、環境保全をテーマにした滞在型プログラム「まいふなーツーリズム」の開発を、環境省の補助事業で推進している。コロナ後を見据え、新しい観光スタイル「マスツーリズム中心から島主導へ」を打ち出した。
コロナ以前の竹富島には年間約50万人の観光客が訪れ、近年はごみ増大やポイ捨てなど、オーバーユースの弊害も指摘されていた。上勢頭理事長は「これらの課題の解決に向けて、自然を守りながら島独自の観光ができないか考えてきた」と事業の目的を説明した。
このほど同事業のテストツアーも実施され、観光業従事者ら約20人が参加した。東海岸のナーラサ浜でビーチクリーン活動の後、財団ラボで射出成型機を使って収集したプラごみから記念メダル作りを体験した。このほか海岸の生き物観察や、島つくりの神話を学ぶなど、歴史や文化にも触れた。
参加者からは「きれいな場所だけでなく、漂着ごみの実態を見てもらうのは良かった」「予備知識がないと難しい。紙芝居形式で事前学習はどうか」などの意見があった。同財団は今後、プログラムの内容を検証し、おもに修学旅行生を対象にツアーを実践できる体制構築をはかる。
また普及、継続できる島民ガイドを育てる。上勢頭理事長は「以前は民宿に泊まるとお年寄りが海や畑の話を客に聞かせていたが、これからは若者が島の良さをしっかり学び伝えてほしい」と期待した。
(隅田賢通信員)