新型コロナウイルスのワクチンを保管する超低温冷凍庫が9日午前、県立中部病院(うるま市)に搬入された。今回は第1陣で、15日までに計23台が県立八重山病院を含む県内の基幹病院などに1台ずつ搬入され、医療従事者への優先接種に備える。今後、地域住民向けに、地域の医療機関や役場にも最大で計111台の冷凍庫が設置される予定。
国は3月からワクチンを医療従事者向けに先行接種する予定で、県内の接種時期は3月上旬から中旬が見込まれている。中部病院には1500人程度の職員がおり、近隣の医療機関も含め、1日最大で200人への接種を2カ月続ける。
接種は平日の5日間に行い、1人2回接種する必要があるため、同病院では合計約4000人が接種を受ける予定。
高齢者など高リスクの住民向けの接種は早くて4月上旬から始まる予定で、県は各市町村と調整を進めている。
医師が少ない離島では、県は接種に必要な人員を増員する。小規模離島が多い竹富町は、石垣島に冷凍庫を設置する可能性が高いという。具体的な接種方法は八重山病院が調整する。
ワクチンはファイザー製で、許容温度はマイナス60度から90度となっており、冷凍庫内はマイナス75度に保たれている。1台に保管できるワクチンの本数は約2000本。1本で5~6回接種できる。
中部病院の玉城和光院長はワクチンについて「集団免疫の獲得を期待している。多くの人が接種することで、地域の流行を抑えられれば」と話した。接種後に副反応が出た場合の対応も整備しているという。
県は1月「ワクチン対策チーム」を設置し、市町村や医療機関などと接種に向けた調整を進めている。