琉球大学病院(西原町、大屋祐輔病院長)で5日午後、県内初となる新型コロナウイルスのワクチン接種が始まった。県医師会の安里哲好会長や大屋院長をはじめ、新型コロナ患者を収容する病棟で勤務する医師、看護師、技師など計12人が接種を受けた。米ファイザー製ワクチンは2回接種を受ける必要があり、同院職員と近隣の消防署で勤務する救急救命士など約1000人が19日までに1回目の接種を終える予定。
安里会長が最初に接種を受けた。終了後は2回目接種時に必要な書類を渡され、容体が急変した場合に備えるため15分間、経過観察された。
同院では医療職の8割が接種を希望しているという。
接種後に記者会見した安里会長は「ワクチンは臨床試験で95%の発症予防効果があり、重篤な副反応はほとんどなかった。先行する欧米各国でも(効果が)確認され、安全で有効なワクチンだ」と強調。「県民は市町村の計画に基づき、着実にワクチンを受けてほしい」と呼び掛けた。
接種完了までに相当の時間がかかるとして、引き続きマスク着用、3密回避などの基本的な感染防止対策を要望した。
大屋院長は「1人の医療従事者が休むと濃厚接触者など10人は2週間仕事に出られなくなり、医療崩壊が進む。私たちが感染しないことが医療を守ることにつながる」と指摘した。