新型コロナウイルスワクチンの住民一斉接種が8日、竹富島を皮切りに始まった。竹富町内での接種は初めてで、8月までの完了を目指す。町の被接種者は16歳以上の3575人。この日は竹富島の65歳以上の94人が接種し、9日は予約ベースで65歳以下の138人が接種する予定。
竹富島では65歳以上が114人、65歳以下が289人。
会場では、竹富町職員のほか、かりゆし病院が医師2人、看護師4人を派遣。派遣会社からも看護師2人が応援に駆け付けた。
会場では問診で体調や基礎疾患などの確認後、ワクチンを接種。副反応の有無を見るため15分の経過観察も行われた。
竹富町は7月末までに、竹富、黒島、小浜、波照間、鳩間の各離島で住民一斉接種を予定している。西表島は高齢者に先行接種し、東海大学と連携して全住民の接種を8月末までに完了できるように調整しているという。
最初の1人目としてワクチン接種をした西大舛髙旬竹富町長は「(ワクチン接種は)全然痛くなく、丁寧に対応してもらった。島々の祭りもあるので、できれるだけ早めに、全住民がワクチン接種を行っていただくようお願いしたい」と呼び掛けた。
住民の與那國光子さん(73)は接種後「思ったより痛くもなく、ワクチン接種ができたことで、去年できなかった老人会などのさまざまな活動ができることに感謝したい。人と話したり笑顔の交流が持てることがうれしい」と笑顔を見せた。
県の担当者は「八重山の離島での接種はここからがスタート。竹富町を中心にかりゆし病院さんの協力のもと、地区で(集団接種を)やっていけるはことは非常に素晴らしいこと。きちんと日程を組んで準備されている」と話した。
竹富町のワクチン接種に協力したかりゆし病院の境田康二院長は「なるべく早く大勢の人が接種できれば、(コロナに)かからなくなるし、感染も広がらなくなる」と強調。「町長の判断で全島民が接種し、島全体で接種が終われば安全な地域になるので、ぜひ迷わず打っていただきたい」と呼び掛けた。