米事務所問題、ネットで認識 元担当副知事の安慶田氏 県議会百条委

百条委員会で発言するため挙手する安慶田氏=27日午後、県議会

 沖縄県の米国ワシントン駐在事務所が、株式会社として地方自治法などに反して運営されていた問題で、県議会の調査特別委員会(百条委、座波一委員長)は27日、駐在事務所設立当時の副知事だった安慶田光男氏を参考人招致した。安慶田氏は駐在事務所担当だったが、一連の問題について「何も知らなかった。知ったのは昨年9月の県議会で問題になってから。(内容は)県の調査検証委に呼ばれ、インターネット情報を調べて知った」と述べた。一方で「知らなかったとはいえ、当時の副知事として、県民をお騒がせしたのは申し訳ない」と陳謝した。

 駐在事務所が2015年、株式会社として設立されたことに関しては、現職や元職の県幹部がいずれも「知らなかった」と証言しており、誰が手続きを決裁したのか分かっていない。
 一方で駐在事務所設立が故・翁長雄志前知事のトップダウンだったことはすべての関係者が認めている。自民党の県議は、翁長氏に責任を押し付けるような動きだとして「死人に口なしではないか」と批判する。
 百条委で安慶田氏は、駐在事務所の設立経緯について、当時「オール沖縄」勢力が衆院選で勝利し、県議会も与党多数だったことを受け、翁長氏が「今こそワシントンに事務所を設立し、沖縄の民意を米国民に伝える時期だ」と政治決断したと明かした。
 その上で「事務所設置の手続きについて翁長氏から何の指示も報告もなかった」と振り返り「大変申し訳ないが、設立業務に関しては本当に全然知らない。誰が決裁したのかも知らない」と自らの関与を否定。当時、担当職員も問題意識を持っておらず、自らの報告も上がっていなかったと強調した。
 県議からは、駐在事務所設立で「実際に指揮を執っていたのは誰か」という質問が出たが「具体的に誰が担当か分からない」「(駐在職員に)決裁権があったかも分からない。行政は副知事になって初めて経験するので」と「分からない」を連発した。
 自民党の大浜一郎氏は「翁長知事の側近中の側近が何も知らないと言うのは信じられない」と疑問視。宮里洋史氏は「これだけの内容を職員が判断することはできない。担当副知事も全く分からなかったというのをどう理解すればいいのか」と追及したが、安慶田氏が「それはあなたの理解ですから」と返すと、会場から失笑が起こった。
 駐在事務所の今後について安慶田氏は「県民の民意で作ったつもりだが、今、これだけ問題になっていて違法性も指摘されているようなので、県議会、知事がよく議論をして決めていくべきだ」と述べた。

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