宮古、八重山の5市町でつくる美(か)ぎ島(すま)美(かい)しゃ市町村会の中山義隆会長(石垣市長)らが12日午後、県庁に玉城デニー知事を訪ね、両地域への新型コロナウイルスワクチン優先配布と、接種に当たる医療従事者の派遣を要請した。玉城知事は、与那国町、竹富町、多良間村での住民一斉接種を調整していると明らかにした。
中山会長は「宮古や石垣でも感染者が出ており予断を許さない。ワクチン接種は感染防止の切り札だ」と県の協力を求めた。
与那国町の外間守吉町長によると、町では22日、23日に1回目、6月12日、13日に2回目の接種を予定している。竹富町では各島での住民一斉接種が始まったが、西表島だけは高齢者優先で接種するスケジュールとなっている。
玉城知事は与那国町、竹富町、多良間村について「高齢者の優先接種と一緒に一般の住民も接種ができるよう調整をしている」と説明した。
県によると、与那国町で高齢者接種の2回目を行う6月12日と同13日に島民にも一斉接種を実施する方向で検討を始めた。外間町長は、県から7月までに島民全員がワクチン接種を受けられると説明されたと述べた。県は八重山病院、県医師会から与那国町に1人ずつ医療従事者を派遣する。
県は、医師会や医療機関と協力し、全ての市町村で7月末までに高齢者への接種を完了させる予定。6月末までには全高齢者分のワクチンが4回に分けて各市町村に配分される。石垣市と宮古島市には6月6日までに配布を完了する予定という。
県は4月4日、県内医療団体に対し、ワクチン接種に必要な看護師の確保について、離島から要請があれば検討するよう通知した。竹富町に住民票があるが沖縄本島で生活する高校生については、夏休み中にワクチンが打てるよう調整している。
同席した次呂久成崇県議は「本島からの医師派遣も含め、体制づくりを連携してやってほしい」と求めた。玉城知事は「県は市町村の状況に対応できるよう医療機関と調整する」と応じた。
同会は4月23日に臨時会議をウェブで開き、小規模離島へのワクチン優先配布など、県への要請事項を決めていた。下地敏彦前宮古島市長の退任に伴い、中山市長を新会長に選任していた。