【視点】もはや感染爆発に近い八重山

離島は医療体制の脆弱さがかねがね指摘されてきたが「第4波」到来で、県立八重山病院はおろか軽症者用の宿泊療養施設さえ満杯になる可能性が高まっている。
八重山病院では既に通常医療の一部制限が始まり、今のままだと新型コロナ以外の病気でも十分な治療を受けられなくなる恐れがある。八重山の厳しい現状は、クラスター(感染者集団)発生などで一時、感染拡大が止まらなかった当時の宮古島に匹敵するだろう。
八重山の場合、現時点で感染者の多くは別の感染者の濃厚接触者であることが分かっており、市中感染がさほど広がっているわけではないようだ。抑え込みを図るには、今が正念場となる。
離島も含め高齢者へのワクチン接種も始まった。今度こそ抑え込みを図れるよう、徹底した対策が必要である。宣言が何度も繰り返され、県民に自粛疲れが広がっていることも事実だが、県は医療崩壊の危機が迫っていることを強力に発信する必要がある。
「第4波」は、なぜこれほど大きな波になったのか。若者を中心に気の緩みが見られたのも確かだが、それだけで1カ月に百人超感染という過去最悪の状況は説明がつかない。最大の要因は、感染力が通常より強い変異株の出現だろう。全国的には既に従来株との置き換わりが進み、県内でも変異株が主流になりつつあるとされる。八重山でも既に9人の変異株感染が判明した。
恐らく従来の「3密」対策だけでは乗り切れない局面を迎えている。ワクチン普及までの間、住民としては最大の警戒心を持って行動しなくてはならないだろう。
観光客の激減で県経済は瀕死の状況だが、緊急事態宣言の発令となると二重底、三重底が危ぶまれる。県は国や市町村と連携し、可能な限りの経済支援策を提示してほしい。

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