県医師会、看護師会、薬剤師会で構成される新型コロナワクチン接種支援班が21日、石垣島に到着した。市総合体育館メインアリーナで17日から行われている、高齢者への集団接種を支援する。6月末までに延べ61人が派遣予定。
安里哲好会長は「市の緊迫した医療状況を改善し、従事者の負担を減らしたい。高齢者の不安を緩和する切り札となるのがワクチンであり、石垣市が集団接種のモデル会場になることを期待している」とあいさつ。接種した人に大きな合併症は見られないと話し、希望者は安心して受けてほしいとした。
21日は医師5人、看護師5人、薬剤師1人、事務局員2人の計13人が来島。午後2時の接種開始を前に、生理食塩液で薄めたワクチンを注射器に入れる等、接種の準備作業を進めた。医師らは金曜日から日曜日の毎週末、支援員を入れ替えて接種のサポートに入る。
中山義隆市長は「大変心強い。高齢者への接種がスムーズになり、感染者数が下がることを期待したい」とし、「ワクチンを提供できる体制は整った。高齢者がいる家族は声を掛け合い、予約を手伝うなど協力してほしい」と呼び掛けた。
八重山地区医師会の上原秀政会長は「県で最も規模が小さい同医師会は、一般向けの集団接種に対応できるか危惧していた。市長や安里会長の協力に感謝する」と謝意を表した。
県からの支援班派遣は石垣市が初めて。ワクチン接種は基本的に各地域の自治体で対応してもらうが、小さな離島や小規模自治体には、県全体で支援していきたいと方向性を示している。
石垣市健康福祉センターによると、17日から20日までに計487人が集団接種を受けた。19日時点で集団接種の予約件数は5300件。
市は現在8976回分のワクチンを確保しており、27日に追加で9360回分の在庫を入荷する予定。インターネットでの予約が困難な高齢者の相談に応じるため、20日から市役所1階、健康福祉センター、結い心センター、水道部に予約サポートデスクを設置している。