第十一管区海上保安本部によると、尖閣諸島(石垣市登野城尖閣)周辺の領海外側にある接続水域で23日、中国海警局船の航行が連続100日に達した。昨年7月22日以来、2回目の100日超で、中国海警局船の「常駐態勢」が着々と構築されていることが浮き彫りになった。
周辺海域では日本の巡視船が領海警備に当たっており、海警局船と対峙。中国は2月、海警局船に武器使用を認める「海警法」を施行し、緊張がさらに高まっている。
海警局船は、交代を繰り返しながら連日「パトロール」と称する航行を続け、自国の尖閣領有権を一方的に主張。台風など悪天候の場合を除き、尖閣周辺にほぼ常駐している。周辺海域に出漁した日本漁船に接近するなどして威嚇し、排除する構えも見せる。
海保の発表や漁業者の証言によると、尖閣周辺の海警局船は通常4隻体制。2隻ずつチームを組み、島々の周辺を徘徊(はいかい)している。4隻のうち1隻は機関砲と見られる武器を搭載するのが通例。
八重山漁協所属の漁船「鶴丸」で10日、尖閣周辺に出漁した市議の仲間均氏(71)は、接近してきた「海警2202」の艦上にある機関砲と見られる武器を撮影した。「中国船の機関砲を実際に見たのは初めて。尖閣乗っ取りが狙いだと改めて感じた」と話す。
海警局船の接続水域での航行は昨年、過去最長となる延べ333日に達した。現在のペースで航行が続くと、今年は過去最長記録をさらに更新する可能性が高い。連続航行の最長記録である昨年8月の111日も更新する可能性がある。
23日現在、尖閣周辺では機関砲のようなものを搭載した「海警1305」のほか「海警2302」「海警2502」「海警6401」が航行している。
中山義隆市長は21日、中国海警局船の航行について「容認できない。国が毅然とした態度を取るべきだ」と述べ、実効支配の強化を求めた。標柱設置のため、尖閣諸島への上陸を国に申請する考えも改めて示した。