石垣市で株式会社ユニマットプレシャスが計画しているゴルフ場建設計画を巡り、地域未来投資促進法を適用する手続きが遅れている問題で、小切間元樹企画部長は21日、市議会一般質問で、県に責任があるとの見方を示した。「県の法に対する理解が十分ではなく、無駄に労力と時間が費やされ、ひいては石垣市の発展の機会が奪われている」と批判した。環境アセスメントの手続きも並行して進んでおり、小切間部長は「事業者は年内着工を目指していると聞いている」と述べた。
ゴルフ場建設計画は砂川利勝氏が取り上げ、進ちょく状況をただした。
市は予定地となっている前勢岳周辺の農地の農振除外、農地転用に向け、地域未来投資促進法の特例を活用するるため、県と共同で同法に基づく基本計画を作成。続いて土地利用調整計画を作成するため、昨年10月、県と事前協議に入った。
しかし市によると、県は農振法の基準に適合しないとして農振除外に難色を示している。これに対し、市は促進法の特例適用による早期の農振除外を主張し、双方の見解が対立。市の土地利用調整計画案は県の同意が得られないまま半年以上が経過している。
市、県は4月、双方の認識に隔たりがある6項目の疑義について農水省に照会。農水省からは5月11日付で回答があった。棚原長武農水商工部長によると、県が土地利用調整計画案の適合性を判断する上で農振法の考え方を参考にすることは特段問題ないが、地域の実情に応じて総合的に判断することが望ましいとの内容だったという。
これを受け市は「県の解釈に誤りがあったことが判明」(小切間部長)したとして、5月14日付で改めて知事に対し、土地利用調整計画案への同意を依頼する文書を送付した。その後1カ月以上、県の回答待ちの状態だという。
棚原部長は一般質問で「県は(農振法にとらわれず)総合的な判断をしないといけないという国の方針が示されている。農振を守ることが重要か、経済振興が重要かは県のほうで判断すると思う」と述べ、県の同意取り付けに期待感を示した。
小切間部長は「この事業は観光振興、市民所得向上に大きく貢献する。市としては結果を出すために全力で取り組みたい」と強調した。環境アセスの進ちょく状況については、事業者が知事意見を踏まえた評価書の補正作業に入っており、アセス手続きの完了に向けて作業を進めていると報告した。
砂川氏は「しっかり最後まで気を抜かずに(県や事業者と)キャッチボールしてほしい」と要望した。