石垣市議会(平良秀之議長)6月定例会では一般質問2日目の22日、井上美智子、大濱明彦、友寄永三、宮良操の4氏が登壇した。新八重山博物館(仮称)建設に向け、野党からは、市が設置した有識者会議の人選を疑問視する声が出た。自治基本条例の抜本的見直しを求めた同条例審議会の答申について、小切間元樹企画部長は「尊重する」と述べた。
新博物館建設は大濱氏が取り上げた。有識者会議の委員に沖縄本島在住の元県議、天久朝市教育部長、小切間企画部長が入ったことに対し「どうして政治家や市役所職員が入っているのか」と批判した。
天久部長は元県議について「ふるさとを離れ、外からの視点、離島振興の観点から提言をいただきたいと委嘱した」、市職員について「博物館建設に関して所管する部分について、委員から確認がある場合を想定して参加している」と説明した。事務局の八重山博物館が人選したという。
大濱氏は納得せず「政治家が入るのは何か意図があるのではないか。市職員は事務局という立場でアドバイスができるので、委員に選出する必要はない」と批判した。委員に女性が少ないとも指摘した。
天久部長は、新博物館建設に向けた基本計画策定作業の中で、策定委員会メンバーの一般公募や女性登用を検討する方針を示した。
市民団体などが設置を要請している建設準備室について天久部長は「今年度は有識者会議と並行して財源の検討を行い、基本計画策定に取り組む。準備室の設置や時期は関係各課と調整して検討する」と述べた。
自治基本条例の見直しを議論していた同条例審議会が3月に出した答申に関しては、友寄氏と宮良氏が質問。答申では、同条例が自らを「最高規範」と位置付けている規定、住民投票に関する規定、「市民」の定義に関する規定などを見直すよう求めた。
小切間企画部長は「市が委嘱した有識者が審議を重ねて答申した。市としては審議会の答申を尊重する立場」と強調した。
条例見直しに当たり、市民や各団体から寄せられた意見の多数が現行条例を支持する内容だったことに関しては「アンケートは審議会の議論で抜けている観点はないか把握するために実施した。賛成反対の割合はあまり参考にすべきではない」と答弁した。
答申に対し、友寄氏は「評価したい」と擁護、宮良氏は「住民の意見と答申に大きな乖離(かいり)がある」と糾弾し、与野党で立場が割れた。