【視点】民主主義を直撃するコロナ

 石垣市と宮古島市では、感染者の多くが未接種の若者であることが共通している。ワクチンが感染や重症化防止に有効であることは確かだが、人口の5割超の接種率でもデルタ株拡大のスピードには追い付けないことが浮き彫りになった。
 ただ接種率は日々上昇していくので、流行を抑止するには、今後とも若者を中心に積極的な接種を促すほかない。
 沖縄は離島県であるだけにロックダウン(都市封鎖)の条件がそろっている。ネット上では、空港を閉鎖し、観光客などの人流を強制的に阻止するよう求める強硬意見もあふれ返る。
 だが非常事態下での人権制限はどこまで許されるのか、憲法論議も含めた広範で綿密な検討が必要だ。政府はロックダウンには一貫して慎重姿勢で、玉城デニー知事も不可能との見方を示している。
 新型コロナは選挙も直撃した。感染者が続出している与那国町では、町長選を機に一気に感染拡大したとの見方が広がっている。宮古島市でも市長選の際に同じことが起きたのは記憶に新しい。
 選挙では多くの人が集まったり動いたりするため、クラスター(感染者集団)の温床となりやすい。全国で間もなく行われる衆院選が新たな「波」につながらないか、懸念は増大する。
 中国のような強権国家であれば、民主主義的な選挙もないし、ロックダウンも自在に行える。国民に対するワクチン接種強制も可能かも知れない。疫病を抑え込む上で民主主義国家よりはるかに有利なのは間違いないだろう。中国の手法を賛美する声は日本にもあり、この疫病は、民主主義制度の根幹を揺るがしているのだ。
 旧盆入りに際し、改めて注意を喚起したい。国や県は長期休暇シーズンの往来自粛を何度も呼び掛けているが、自粛で感染を封じ込められなければ、将来的には日本も新たな一歩に踏み出さざるを得ない。それは社会のあり方を変容させてしまうことになる。

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