礼文島湧き水で泡盛 「波声」与那国の酒造所開発 南北離島でコラボ

「波声」新商品3種をアピールする崎元俊男代表=8月30日、与那国町の崎元酒造所

 与那国町の崎元酒造(崎元俊男代表取締役)は、町と友好交流協定を結ぶ北海道礼文町の湧き水を使用した泡盛「波声(はごえ)」を礼文町の市民団体と開発し、9月上旬ごろから県内の酒屋や土産品店で販売を開始する。国境に近い南北離島のコラボ商品として注目を集めそうだ。
 与那国町と礼文町は小学生同士の交流を契機に、2019年11月に産業や教育、文化など幅広い分野で交流する友好協定を締結した。
 礼文島では、西表島や香川県の小豆島で暮らしたことがあった飲食業柳谷裕司さん(41)が移住者の少ない島の将来に危機感を覚え、昔は飲料水などとして島民の生活に根づいていた湧き水の活用を礼文町職員に提案。2020年1月に礼文町有志と「島の自慢づくりプロジェクト」を発足させ、崎元酒造所に協力を呼び掛けたところ快諾を得た。
 崎元酒造所で醸造した花酒(アルコール60度の原酒)に礼文町で組み取られた湧き水を割水として仕上げ、「波声」が誕生した。
 「波声」は、かつて礼文島で盛んだったニシン漁で漁師たちの音頭取りの掛け声。島の荒々しい波をイメージして命名され、両島の交流と繁栄の願いが込められている。
 ほんのりとした甘さを感じる軟水の湧き水と、与那国で生まれた泡盛の相性が良く、すっきりとした味わい。瓶のラベルは両島が一目で分かるようなデザインにした。
 商品は3種で「波声」(30度、600㍉㍑)=希望小売価格1600円(税込み)、「波声」(43度、600㍉㍑)=同1950円(同)、「波声飲み比べ3本セット」(30度、43度、崎元酒造所の「与那国」各100㍉㍑)=同1595円(同)。
 崎元代表は「最先端の国境離島のお互いのコラボ商品として育てていきたい。両島の物語を伝えていきたい」と意気込んだ。
 「波声」1本につき、100円が崎元酒造所から礼文島の「島の自慢づくりプロジェクト」へ贈られる。
 プロジェクト代表の柳谷さんは「せっかくの縁を活用し、礼文町の水の魅力や島のことを知ってもらう機会にしたい」と強調。雇用創出や島の活性化も期待した。

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