建設作業員8割が島外 渡航費5億円超、コスト圧迫 島内で確保困難な事情も 新庁舎

石垣市の新庁舎。赤瓦屋根が折り重なった外観が特徴=19日午後

 石垣市の新庁舎建設工事に関わった作業員延べ約4万1800人のうち、島外作業員が3万3962人で、全体の81・2%を占めることが市議会一般質問で明らかになった。人件費の大半が島外に流出した上、作業員の渡航費が5億円を超え、建設コストがかさむ要因にもなった。ただ新庁舎は高度な建設技術を必要とする設計で、地元の人材不足もあり、関係者からは「島内での作業員確保は厳しい」と指摘する声が上がる。

 市議会一般質問でこの件をただした砥板芳行氏は「地元建設会社が受注すれば、地元の鉄筋工、型枠工、左官屋、内装屋などで新庁舎を造り上げることができたのではないか。子や孫に『あの役所はお父さんが造った』という幾千幾万のストーリーができたはずで、とても残念だ」と市を批判した。
 市は島外作業員の渡航費について、建設工事を受注した大手ゼネコンなどのJV(共同企業体)と、建設費とは別に計上することで合意。渡航費は航空機チケット代、宿泊代、島内での食事代なども含み、最終的に約5億2000万円に上った。
 建設工事請負契約金額は当初、49億円だったが、最終的には約9億3569万円増となり、増額分のうち約56%を渡航費が占めた。用地取得費や引っ越し費用なども含めた総事業費は108億円に達した。
 砥板氏は「ゼネコンは船団を組んで工事をする」と、当初から島外の作業員ありきで作業が進んだ可能性を指摘。だが市幹部は「東京五輪や東日本大震災復興の需要で、建設作業員は全国的に人手不足。逆に大手ゼネコンだから、あれだけの人数を確保できた面もある」と理解を求める。
 新庁舎の設計は、世界的建築家として知られる隈研吾氏の事務所などが手掛けた。赤瓦屋根が幾層にも重なるなど、高度な建築技術が求められるという。
 県建設業協会八重山支部の米盛博明支部長は「熟練した作業員が必要になる。地元では若い労働力も不足している。工期に間に合わせることを考えると、地元業者が受注していても、主要な作業員を島内で確保するのは難しかっただろう」と市に同情する。
 新庁舎の設計に関しては「『市民が5万人足らずの島で、これほど豪華な建物が必要か』『隈さんが設計したことで石垣市のネームバリューが上がった』と、二つの意見がある。判断は難しい」と語る。
 市は当初、建設工事を地元企業に優先発注する方針で、分離分割発注のため工区も複数に分けていたが、地元企業とは価格が折り合わず、4回の入札はいずれも不調に終わった。市は最終的に工区を一つにまとめ、大手ゼネコン、県内企業、地元企業のJVと随意契約した。

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