【視点】苦境に陥る「オール沖縄」県政 

 今月4日に就任3年を迎えた玉城デニー知事が苦境に立たされている。経済界や政界で、自身を支える政治勢力「オール沖縄」から離脱する動きが相次いでいるためだ。
 「オール沖縄」勢力の一角を担ってきた県議会の赤嶺昇議長は13日、次期衆院選で自公候補を応援すると明らかにした。9月には建設会社などを運営する金秀グループが、衆院選での自民党支持を打ち出していた。
 「オール沖縄」勢力の足元が揺らいでいるのはなぜか。米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設反対で保革が呉越同舟の体制を築いて県政を奪還したが、辺野古の工事は止められず、新型コロナウイルス対策や沖縄振興で目に見える実績を示せずにいる。この現状に厳しい視線が向けられているのだろう。
 辺野古移設が止められない最大の要因は「オール沖縄」勢力の主張が県内でしか説得力を持たず、全国へのアピール力を欠いているためだ。玉城県政は、辺野古反対を訴えているため東京などで全国キャラバンを開催したが、共感は広がらず、その後の展開もコロナ禍で頓挫した形になっている。
 コロナ禍で沖縄は全国最悪の感染状況に陥り、医療は崩壊寸前の状況だった。人口約140万人の沖縄で約5万人が感染し、300人以上が死亡した。

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