【視点】苦境に陥る「オール沖縄」県政 

 九州以南で沖縄より感染者数や死亡者数が多いのは人口約500万人の福岡だけだ。未知の疫病との戦いに困難が伴うのは当然だが、結果から見て沖縄のコロナ対策が及第点に達していたとは言い難い。菅義偉前政権によるワクチン接種大号令の波にも乗ることができず、接種率が低迷している。
 沖縄振興も現行の振興計画が来年3月で切れる重要な時期に差し掛かっているが、辺野古での対立が影響し、政府との連携がスムーズに進んでいるようには見えない。
 玉城知事は新政権に沖縄振興策を要請するため8日に上京し、西銘恒三郎沖縄担当相、公明党の山口那津男代表、西村康稔前経済再生担当相に面会した。
 要請していた岸田文雄首相や自民党幹部との面会は実現せず、閣僚で話ができたのは西銘氏だけだったが、その西銘氏も翌9日には県庁を訪れ、玉城知事と再び会談している。
 知事の上京に成果はあったのか。ここにも政府との連携不足に起因するちぐはぐさを感じる。
 玉城知事は急逝した翁長雄志前知事の後継として県政を引き継ぎ「いばらの道」は当初から予想されていた。この3年、知事を支える「オール沖縄」勢力が保革を問わず、どこまでウイングを広げ、知恵や行動力を示せるかが問われていたと言える。
 だが「オール沖縄」勢力は相次ぐ支持者の離脱で、事実上の革新共闘体制に先祖返りする道をたどっている。政策の選択肢は、ますます狭まりつつあると思わざるを得ない。

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