竹富町(西大舛髙旬町長)と県行政書士会(白木純会長)は20日、コロナ禍や災害時に町民が行う行政手続きを町と行政書士が支援する「2者による包括的連携の協定」を県内で初めて締結した。町の委託を受け、行政書士が島々に出向いて必要なサポートを行う。
委託には国の新型コロナウイルス給付金を活用。感染症や災害時の支援金申請、証明書発行手続き、許認可関連などの行政手続きで支援を必要とする町民のもとに、同会の八重山事務所から行政書士が出向き、書類作成やデジタル操作を手伝う。
同日午後、仮庁舎で行われた締結式で西大舛町長は「コロナの拡大により町の産業は打撃を受け、日々町民への支援の在り方を検討している。今回の締結で2者が一枚岩となり、複雑で多様化する行政ニーズの質の向上を図りたい」と述べた。
同会は今年の3月から8月まで竹富町支援金事業等受付業務を受託し、町職員とともに手続きの支援で島々を回っていた。同業務において町民の評価が高かったことも、今回の締結の背景にある。
県内では災害時の支援協力を目的に、弁護士や行政書士など10士業から構成される「沖縄士業ネットワーク」と糸満市、豊見城市、那覇市が連携しているが、行政書士会と市町村が単独で連携するのは今回が初。
白木会長は「協定を機に、行政書士が常日頃から皆さんにとって身近な存在だと知ってほしい。『誰一人取り残さない持続可能な社会』の実現のために、行政手続きの専門家の積極的活用を、竹富町や関係各位に検討していただけたら」と呼び掛けた。
公的支援制度は国・県・市町村単位で手続きが異なる。政策推進課の小濵啓由課長は「行政書士のサポートは、更新される制度内容に対応する職員の負担軽減につながり、電子化手続きを苦手とする高齢者らが円滑にサポートを受けられる」と期待した。
締結は2022年3月末までだが、いずれかが終了を申し出ない限り来年以降も継続する方針。