「オール沖縄」大打撃 玉城知事再選戦略に影響

玉城デニー知事を支持し、米軍普天間飛行場の辺野古移設に反対する「オール沖縄」勢力が3区と4区で自公に敗れ、4つの選挙区で2勝2敗となった。「オール沖縄」勢力には大打撃で、かつてすべて選挙区を独占していた往時の勢いは完全に失速した。玉城デニー知事の求心力低下は避けられず、来年の知事選での再選戦略にも狂いが出そうだ。
自民は4選挙区すべてで自民公認、公明推薦の候補を擁立。知事派は共産、立憲民主、社民の公認候補をそろえ、全選挙区で自公と激突した。
従来の国政選挙では辺野古移設がほぼ「ワンイシュー」(唯一の争点)とされ、知事派が県民の反基地感情を背に連勝を続けてきた。だが今選挙は新型コロナウイルス対策や沖縄振興のあり方が選挙戦の新たな焦点に浮上。コロナ禍で「辺野古」の影は薄れ、自公は新型コロナ対策や経済政策を訴えて支持を拡大した。
普天間飛行場の移設先である名護市がある3区は、自公の島尻安伊子氏が立憲民主の屋良朝博氏を破り、初当選を果たした。玉城デニー知事のかつての地盤で、辺野古が最大争点とされてきた象徴的な選挙区だけに、自公の議席奪取は大きなインパクトを与えそうだ。
4区は自公の西銘恒三郎氏が選挙直前に沖縄担当相に就任し、知名度を生かしてリード。前回選挙で獲得した自公唯一の議席を守り切った。
那覇市を含む1区では、保守勢力が自公の国場幸之助氏と無所属の下地幹郎氏に分裂。経済界からは下地氏の自民復党による保守合同を求める声が強かったが、自民県連が応じず、今選挙でも共産の赤嶺政賢氏に漁夫の利を許した。
普天間飛行場がある宜野湾市を抱える2区は4人が立候補したが、事実上、自公対知事派の一騎打ち。社民の新垣邦男氏が引退した前職の強固な支持基盤を引き継ぎ、自公の宮崎政久氏に対して有利に選挙戦を進めた。
近年、知事派からは有力政治家や支援企業の離脱が続出。保革を糾合した「オール沖縄」の理念とは裏腹に、革新共闘体制への先祖返りが顕著になっている。「オール沖縄」勢力が4つの選挙区を独占した翁長雄志前知事の当時に比べ、保守・中道層の支持離れが鮮明になったことで、知事選に向けて自公が勢いづくのは確実だ。

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