小笠原諸島の海底噴火で発生した大量の軽石が県内各地に漂着している問題で、海洋研究開発機構(神奈川県)は23日までに八重山日報の取材に応じ、軽石が12月に石垣島に漂着するとの予測を明らかにした。風の影響が強い場合、早ければ12月1日か2日ごろ、石垣島東海岸へ漂着する可能性があるという。石垣市など関係機関は軽石対策協議会(仮称)を設置しており、今後の動向を注視している。
同機構は人工衛星で軽石の位置を特定し、海流と風の強さを考慮して今後の漂流状況をシミュレーションした。
付加価値情報創生部門アプリケーションラボ環境変動情報創生グループの美山透研究員(51)によると、軽石は「黒潮反流」と呼ばれる海流で沖縄方向に向かっている。
軽石は沖縄本島、宮古島の順に到達しており、現時点では宮古島が壁のような役割を果たしているため、八重山諸島には至っていない。しかし今後、海流に乗って、徐々に八重山諸島にも接近してくるという。
美山研究員は石垣島への影響について「それほど大量に来るような感じではないが、軽石は東から西へゆっくりと動いている。その間の時間を対策のために使ってほしい」と話した。
沖縄に漂着した軽石はしばらく滞留する見込みで「少なくとも、あと2~3カ月は影響が続くだろう」との見通しを示した。
同機構はホームページ上で漂流状況のシミュレーションを公表している。
市は18日、石垣港湾事務所、県八重山土木事務所、竹富町、民間船舶事業者などを網羅した軽石対策協議会の初会合を開き、情報を共有する方針を確認した。今後、週1回開催する予定。
石垣島に軽石が漂着した場合、漂着場所が港湾であれば市港湾課、漁港であれば市水産課、海岸であれば市環境課が中心になって対応する。
市環境課によると、軽石の接近に備え、オイルフェンスを入手できないか関係先に確認しているが「ほとんど沖縄本島で使われており、不足する可能性がある」という。
漂着した軽石は除去する方針で、仮置き場の確保も検討しており、現在、3カ所の候補地が挙がっている。
同課の大城智一朗課長は「軽石が漂着した場合でも、市民生活への影響を最小限にするよう対応したい」と話した。石垣島への漂着情報は同課(0980・82・1285)が窓口になる。