来年2月27日の石垣市長選で、保守陣営内では現職、中山義隆氏(54)の4選擁立を目指す動きが加速した。9日、市商工会の会員で組織する政治団体、市商工政治連盟の大濱達也会長らが市役所を訪れ、中山氏に出馬を要請した。一方、市議会野党は保革共闘を視野に人選を進めており、有力候補者として保守系元市議が浮上した。保守系中立会派の市議、箕底用一氏(40)の名前も取り沙汰されている。
中山氏は市商工政治連盟の出馬要請に対し「後援会と話してから決定する。今しばらく時間をいただきたい。思いをしっかり受け止め、いい方向で話を進められるよう頑張りたい」と、重ねて前向きな姿勢を示した。
与党内では中山氏の4選出馬を支持する声が大勢を占める。6日開会した市議会12月定例会は市長選前の最後の定例会となるため、一般質問では市長選への対応を問う声が出ると見られ、中山氏の発言が注目されそうだ。
野党は今年の宮古島市長選、与那国町長選で保革相乗りの候補が勝利した経緯を踏まえ、保守系候補の擁立を辞さない構えだ。
2018年市長選では革新系市議の宮良操氏に加え、元自民党の故・砂川利勝元県議が保守陣営を割って出馬したが、中山氏が三つどもえを制した。ただ宮良氏と砂川氏の得票合計は中山氏を上回っており、野党は、石垣市でも保革共闘が奏功すれば市政奪還は可能と見る。
保守系元市議の名前は、野党の人選作業の中で挙がった。関係者によると元市議は、11月に開かれた自民党石垣市支部の評議委員会に出席し、中山氏の4選に批判的な意見を述べた。現時点で市長選への対応は明らかにしていないが、仮に出馬すれば与党からも支持者が出る可能性がある。
市民団体「『チェンジ市政』石垣市民の会」も独自に候補者擁立作業を進めている。
野党連絡協議会の宮良会長は取材に対し、「市民の会とも協議中だ。12月中には候補者を決めて発表したい。(革新陣営が中心の)従来の組織ではなく、超党派の体制を構築したい」と話した。
箕底氏も出馬に意欲的とされるが、野党からは慎重な意見も上がっている。箕底氏は9日、市長選への対応を問う八重山日報の取材に「コメントすることはない」と述べた。