石垣市は21日、「尖閣諸島情報発信センター」をユーグレナ石垣港離島ターミナルの2階に開設した。市の行政区域である尖閣諸島の歴史や自然を広く内外に発信する施設。市が現地に設置するため製作した標柱や、尖閣諸島の3D模型(ジオラマ)などが展示されている。
市は9月、標柱設置のための上陸許可を政府に申請したが、政府は不許可とした。市は引き続き政府に上陸許可を求める方針で、その間、標柱を同センターに置く。
尖閣諸島のジオラマは市立図書館の2階に設置していたが、同センターの開設に伴い移設した。
尖閣諸島を日本領と認めた中華民国の感謝状レプリカなどの史料や、尖閣諸島の概要、歴史、自然を紹介したパネルも展示。映像も放映している。
同センター開設の事業費約1660万円で、財源には、ふるさと納税を活用した。市は将来的な尖閣資料館の建設を国に要望している。
オープニングセレモニーで中山義隆市長は「尖閣諸島と周辺海域を取り巻く環境は大変厳しいが、紛れもなく日本固有の領土だ。市民や国内外の多くの皆さんに知っていただくことが重要」とあいさつ。
ふるさと納税の協力者の1人として作曲家の故・すぎやまこういち氏の名を挙げ、全国の寄付者に改めて感謝した。
同センターを管理する株式会社石垣市経済振興公社の真栄田義世代表取締役は「ターミナルのにぎわい創出にも絶好の機会になる。標柱が一日も早く本来の島々へ設置できることを一市民として願っている」と述べた。
中山市長、真栄田代表取締役、市議会の平良秀之議長がテープカットを行った。中山市長は報道陣の取材に「尖閣の歴史や現状を勉強できる。修学旅行や観光客も訪れてほしい」と述べた。
同センターは離島ターミナル閉鎖時を除き無休。入場無料。開館時間は午前7時から午後9時。