新型コロナ 経済界「もう勘弁」 第6波、観光の出鼻くじく

にぎわいが戻りつつある石垣市のユーグレナモール。コロナ再拡大で観光業界の今後が懸念される=7日午後
にぎわいが戻りつつある石垣市のユーグレナモール。コロナ再拡大で観光業界の今後が懸念される=7日午後

沖縄には9日から新型コロナウイルスの「まん延防止等重点措置」が適用される。昨年10月末から感染が鎮静化し、今年は観光をはじめとする地域経済の回復が見込まれていた矢先、「第6波」突入で出鼻をくじかれた格好だ。経済界からは「もう勘弁して」と悲鳴が上がる。
▽V字回復
八重山の新規感染者数は昨年12月末まで63日間ゼロが続き、市街地では年末年始に観光客の姿が目立ち始めている。中山義隆市長は今月4日に開かれた初春の交歓会で「八重山、石垣をV字回復させる1年にしたい」と力を込めた。
今月23日には石垣島マラソン大会で約2800人が来島を予定。八重山観光の復活を内外にアピールする大規模なイベントになるはずだった。
だが石垣市では年明けから感染者が増え始め「第6波」到来の様相が鮮明に。市はPCR検査体制の強化を図るなど、ギリギリまで開催を模索したが、政府が沖縄への「重点措置」適用を決定した7日、延期を発表せざるを得なかった。
中山市長はこの日の記者会見で「(観光は)年末年始でだいぶ回復の兆しがあったが、本島が特にひどい状態で、沖縄全体にだいぶキャンセルが入っている」と指摘。石垣市の現状について「急にキャンセルが増えているわけではないが、2月に修学旅行の予約が多数入っているので、そのあたりがキャンセルになると厳しい」と述べた。
再び経済の落ち込みが予想されることを受け、市は今後、国の交付金を活用した新たな経済対策を急ぐ。
▽良い流れが…
八重山観光は2020年以降、コロナ禍で甚大なダメージを受けた。石垣市の入域観光客数はピーク時の19年には約147万人に達したが、21年は速報値で約52万人に急落。新石垣空港開港前の数字に逆戻りした。
飲食業界は昨年、自粛と規制に明け暮れた。ようやく新年を迎えた矢先、県内の新規感染者数は千人を超え、再び緊急事態宣言発令の可能性も取り沙汰される。今年も同じことが繰り返されるのか。関係者はやり場のない思いを抱える。
飲食店オーナーの30代男性は「11月から通常営業を再開し、お客さんも戻ってきて良い流れだっただけに残念。2月はロッテのキャンプもあり、観光も期待できたし、予約や問い合わせもあった。もうこの状況は勘弁してほしい」と嘆く。
飲食店オーナーの30代男性はは「『またか』という感じ。自粛は仕方のないことだと思うが、飲食店だけが矢面に立つのはどうか。県から営業時間短縮要請があっても、応じるかはまだ分からない」と困惑した。

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