【視点】対中交渉は抑止力背景に

 日米両の外務・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)が8日、テレビ会議方式で開催された。覇権主義的な振る舞いが目立つ中国への懸念を共有し、日米同盟の強化を確認した。
 尖閣諸島を抱え、台湾にも近い沖縄は文字通り対中最前線にある。現に中国が武力による威嚇を強める中、県民を紛争に巻き込まないようにするには、抑止力を背景にした交渉を進めることが重要である。日米の結束が改めて示された意義は大きく、日米で作成された共同文書は、県民としても評価できる内容だ。
 ただ、共同文書で「日本の南西諸島を含めた地域における自衛隊の態勢強化の取り組みを含め、日米の施設の共同使用を増加させる」とされた点に関し、玉城デニー知事は否定的なコメントを出した。
 記者会見で報道陣の質問に答え「自衛隊配備の増強と、米軍による自衛隊施設の共同使用をが重なると、県民としては非常に大きな不安を抱える。共同使用はやるべきではない」と述べた。
 沖縄の自衛隊基地を米軍が使用することは、米軍がさらに活動範囲を拡大させることにつながり、県民の反発が大きい。日本両政府が進める基地負担の軽減という理念に逆行する面があるのも否めない。
 だが、逆に米軍基地を自衛隊が共同使用することは、米軍基地の運用に対する日本側の関与を増やす効果がある。沖縄にとって負担軽減につながる一つの方策ではないか。知事は日米施設の「共同使用」を一概に否定するのはなく、もっと柔軟な姿勢で日米両政府との対話を進めてほしい。

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