「プラットフォーム」構築へ 官民で観光危機に対応 検討会に素案提示 石垣市

 石垣市は自然災害やテロなどが起きた際、観光への被害を最小限に抑える「観光危機管理計画」素案をまとめ、25日に市役所で開いた同計画素案検討会(会長・小切間元樹企画部長)に提示した。市、市観光交流協会を核に、官民で組織する「(仮称)観光危機管理プラットフォーム」を構築し、連携して危機発生時の対応に当たる方針を盛り込んだ。

 素案では「観光危機」として津波、地震、武力攻撃、テロ、SNS上のネガティブキャンペーン、感染症など、観光産業に影響を与えるケースを幅広く想定した。
 平常時から取り組むべき減災対策、危機への対応、危機からの回復に至る段階別に、方針と施策を定めた。
 観光危機管理プラットフォームでは、関連する機関や観光事業者との連絡体制を確保し、諸課題の対応方針を協議する。メンバーには毎年度見直すが、素案では宿泊、レンタカー、船舶、航空の各事業者、市観光交流協会、八重山ビジターズビューロー、市、竹富町などを入れた。
 大規模な自然災害などの場合は市に観光危機管理本部を置き、プラットフォームと連携させる。
 具体的な危機への対応として、観光客向けの避難誘導、避難場所開設、早期帰宅の支援、情報発信などを挙げ、プラットフォーム構成員ごとに役割分担を決めた。
 危機からの回復に向けて、石垣市全体の復興の動きと連携し、プラットフォームが行政や関係団体と共に観光役の誘致促進などに取り組むことも盛り込んだ。
 検討会には官民のメンバーが参加。観光プラットフォームに竹富町を参画させることや、地域防災計画と観光危機管理計画の位置づけ明確化を求める声などが出た。
 副会長の大浜武防災危機管理課長は「石垣市には1万人近くの観光客が滞在している。1日、2日観光客の帰宅が遅れると備蓄食料の維持や管理で大変な負担を強いられる」と指摘。迅速な帰宅支援の必要性を強調した。素案は来月2日の観光開発審議会で審議される。パブリックコメント(市民意見募集)、再度の素案検討会で修正が加えられたあと、3月の審議会で決定。市長に答申される。

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