【視点】感染最多 社会機能の維持優先に

政府は濃厚接触者の待機期間を従来の10日間から7日間に短縮した。社会機能の維持に必要なエッセンシャルワーカーは検査で陰性が確認されれば5日間に短縮できる。オミクロン株の潜伏期間が3日程度とされることや、欠勤者が続出することで社会機能の維持が困難になることを防ぐ措置だ。
「第6波」の特徴としては、感染者数が多い割には重症者数が少ないことが挙げられる。ただ医療現場は危機的な状況にあり、県立八重山病院は「重症者数が少ないからと言って安心してもらっては困る」と呼び掛けている。
高齢者、基礎疾患がある人、肥満などの人は依然、重症化リスクがある。八重山では重症者はまだゼロだが、酸素吸入が必要な中等症の患者は出ている。妊婦の感染が多いことも深刻な問題だ。まだ気を許すべきではない。
オミクロン株感染者は無症状者が多いこともあり「風邪と同じだ」と病状を軽視する声もある。感染症法上の位置づけをインフルエンザと同じ5類に見直すよう求める声も増えている。
ただ新型コロナは頻繁に変異しており、感染率や重症化率がより深刻な新変異株が出現する可能性も考えられる。今しばらく慎重に推移を見守るべきだろう。
沖縄本島では感染者数が既にピークアウトしたと見られるが、それでも新規感染者数は連日1000人前後の状態だ。八重山も感染者数の高止まりが当面続くものと見たほうがいい。感染者数の増加を覚悟した上で、医療をはじめとする社会機能の維持を最優先に考えなくてはならない。

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