4年ぶり果実への寄生確認 ミカンコミバエ防除展開

 県八重山農林水産振興センターは15日、石垣市の市街地で、果実などに寄生する害虫ミカンコミバエの防除活動を展開した。今年度は4年ぶりに果実への寄生が確認され、県など関係機関が周辺でテックス板(誘殺板)の設置などを進めている。同センターは「食用にしない果実は密閉し、燃えるごみとして処分してほしい」などと呼び掛けている。

 同センターによると、石垣市には47地点にトラップ(わな)が仕掛けられており、今年度は14日時点で計19頭のミカンコミバエのオスが発見された。
 同センターは、ミカンコミバエが発見されたトラップを中心に半径2㌔県内にある果実を採取し、幼虫の有無を確認。その結果、登野城、平得、真栄里の19地点の果実で幼虫が見つかり、そこから半径2㌔以内にテックス板を設置する作業を進めている。
 今年度の防除活動は昨年6月から行われ、15日で8回目。2月15日に約10地点のグァバやかんきつ類から幼虫が見つかった登野城地区を中心に、テックス板約3500枚を設置した。国、県、市など7機関から39人が参加し、作業に当たった。
 今年度、幼虫の寄生が確認された果実は民家の庭から見つかっている。県は、民家の敷地内でのテックス板設置に理解を求めている。
 その上で「子どもを含め、設置したテックス板に触れない」「市街地内の食用果実を市街地外に持ち出さない」―ことなどを要請している。
 テックス板にはミカンコミバエのオス成虫を誘因する物質と殺虫剤がしみこませているが、口に入らなければ人体に影響はない。
 幼虫が寄生した果実を発見した場合、連絡先は同センタースタッフ℡0980・82・3043、市農林水産商工部農政経済課℡0980・82・1307。

 ミカンコミバエ 1986年に沖縄県全域から根絶されたが、台湾など東南アジアでは今も生息しており、人流や物流で再侵入する可能性がある。県は再侵入を防ぐため、現在でも予防防除を行っている。再侵入や再発生が確認された場合、果実や野菜の出荷が制限される可能性がある。

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