学習指導要領の改訂に伴い、中学校や高校でがん教育が推進されるのに合わせ、教職員らの理解を深める目的で20日午後、がん教育研修会が八重山合同庁舎で開催された。講師の日本女子体育大学の助友裕子教授は、「学校におけるがん教育の実際」と題し、講演した。がんについて学校で教える場合、生徒や教諭に悪影響が出る可能性にも言及し、学校側は学年便りなどで家庭に周知すべきと指摘。「心配な家庭には電話連絡をするよう求め、事前面談もすべき」と提言した。指導方法や家庭への配慮について「県内で共有すべき。これから取り組むべき課題だ」と強調した。
講演の後半は教員らが班に別れ、グループワークに取り組んだ。「がん教育を進める上で困ること」について、書き出し、発表した。具体的な解決策を出せなかった班が多く、「親をがんで亡くした生徒に対し、どのように教えるか」などで悩むとの意見が出た。
助友氏は、東京都の取り組みや鹿児島の患者会の事例も紹介。学校関係者だけでなく、医療機関などに協力を求め、出前授業の実施を提言した。