石垣市の中山義隆市長は24日の市議会一般質問で、尖閣諸島の字名変更に伴う島々への標柱設置について「国に何度でも要請しようと思っているが、政府を上陸を許可する判断に至らしめる作業が必要だ」と述べ、国民世論や国会議員の後押しが必要との認識を示した。
尖閣諸島問題は仲間均氏が取り上げ「中国がそのうち奪い取ることが十分予想され、武力行使も現実味を帯びている」と市の対応をただした。
中山市長は、3月9日、東京の自民党本部で尖閣問題への取り組みを説明したと報告。「石垣市が上陸申請して国が認める、認めないという話ををいつまでもやっているものではない」と述べ、与党国会議員の力添えや「石垣市に上陸させてほしい」という国民世論の盛り上がりに期待した。
その上で「(市の上陸を認めないのであれば)国の関係者が上陸して標柱を設置するところまで持っていっていただかないと、市としては納得できない」と強調。「そのあとは灯台、避難港、通信施設の中継局も整備し、尖閣を有効に利活用できる体制を作りたい。そのことが領土や日本の安全保障を守ることになる。一地方自治体の長ではあるが、しっかり取り組む」と力を込めた。
仲間氏は、市が1月に実施し、自らも同行した尖閣周辺海域の調査を高く評価。一方で中国艦船の侵入が常態化していることについて「今ではこの海域は、中国の領海ではないかと思うくらいの状況になっている」と危機感をあらわにした。
その上で、玉城デニー知事が中国との対話による平和外交を求めていることを挙げ「中国公船が領海侵犯したり、接続水域を荒らし回ったりしているのに話し合いができるのか」と疑問視した。
中山市長は「話し合いで(日本が)何か譲歩するということはないと思う。市は直接、中国と交渉する立場ではないが、国がしっかりと態度を明確に表す必要がある」と応じた。
この日の一般質問では、友寄永三氏が小、中学生が尖閣諸島を学ぶ際の教材となるパンフレット作成についてただした。
小切間元樹企画部長は「子供たちに尖閣諸島の歴史、自然環境に興味を持ち、知ってもらうことを目的に作成している」と述べ、小5、中1を対象に1500部の配布を予定していると明らかにした。
天久朝市教育部長はパンフレットについて「小5、中1の社会科年間指導要領に位置付け、確実に取り扱うよう指導する」と述べた。