「循環型」ミーバイ養殖進む 再生可能エネなど活用 中城村

ミーバイの循環型陸上養殖に取り組む琉球大学の竹村教授(右)と島袋亮道特命教授=4日午前、中城村養殖技術研究センター

 琉球大学の竹村明洋教授らが、農水一体型の循環システムを用いたミーバイ(ヤイトハタ)の陸上養殖に取り組んでいる。再生可能エネルギーによる発電、残渣(ざんさ)を使用した餌の開発、LEDライトの活用、DXによる人件費削減により、日本の水産業が抱える課題解決を沖縄から目指すという。

 上品な旨味をもつ白身が特徴のミーバイは、沖縄の高級魚として知られている。県内各地で養殖が行われているが、輸送コストのかかる餌、電気、人件費の削減が課題だ。
 竹村教授らは現在、中城村浜漁港近くに約5000尾のミーバイを収容できる敷地面積約2150平方㍍の「一般社団法人中城村養殖技術研究センター(NAICe)」を構え、太陽光と風力による発電、養殖期間を短縮する研究を行っている。「ミーバイのアクアパッツァ」をはじめとする琉大ブランドの商品開発も手掛けており、県内スーパーや海外レストランへの販売も始まっている。
 同研究事業は今年度から、JST(国立研究開発法人科学技術振興機構)の支援制度「共創の場形成支援プログラム(COI―NEXT) 」に採択され、単年3億円で10年間の予算を確保。来年からは琉球大学敷地内に同規模の新たな養殖場計画をスタートし、4年かけて農水一体型の循環養殖システム構築に挑戦する。
 新たな養殖場は2024年に完成予定。従来の課題解決に向け➀再生可能エネルギーで発電➁残渣(産業廃棄物)を使用した餌での養殖➂ミーバイの尿は有機廃棄物として畜産や農業に活用➃汚れた水槽水は植物工場でろ過して再利用ーすることで循環を実現。琉球大学が主体となり、中城村やオリオンビール㈱など複数の自治体と企業が協力する。
 「デジタル技術や循環システムで、SDGsに取り組みつつ生産コストを抑える。十分な所得が見込める魅力ある産業にしたい」と竹村教授。
 世界の魚介類消費量がこの50年で2倍に増加する一方で、水産庁によると、日本の生産量は442万㌧とピーク時の3分の1に減少。同事業では就業者の高齢化を含めた水産業の落ち込みを解決するため、若者の参入を目指すという。
 ミーバイは10㌢程度の稚魚を県から購入し、約1㌔に成長するまで養殖する。竹村教授らの研究によると、ミーバイが最も心地よいと感じる青色のLEDライトを当て、海水よりも塩分濃度を低くすることで、通常1年ほどかかる養殖期間の短縮に期待できる。目標は半年での出荷だという。
 竹村教授は「普通の養殖場にはしたくない。大学の研究が関わることで業績を取り入れ、実証できた養殖システムをフランチャイズ展開予定。沖縄の水産業の底上げに寄与したい」と意気込んだ。

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