前泊、那根氏が立候補 5日間の超短期決戦に 竹富町長選

 竹富町の海底送水管事業に絡む汚職で前町長が辞職したことに伴う町長選が12日告示された。元町職員の前泊正人氏(44)、前町議の那根操氏(70)が立候補を届け出た。一騎打ちで5日間の超短期決戦がスタート。不祥事の再発防止策、西表島大原で町が建設する新庁舎のあり方などが争点になる。17日に投票、18日に石垣市で開票が行われる。
 町長選は2020年が無投票だったため、選挙戦に突入するのは16年以来、6年ぶり。前泊氏、那根氏は石垣市の選対事務所で出陣式を開いたあと、チャーター船で島々に向かい、遊説などで有権者に直接支持を訴えた。
 前町長の逮捕を受けた町長選だけに、2氏とも不祥事再発防止に向けた行政改革を訴える。公共工事の業者選定で第三者委員会を設置し、町民代表を入れるなど、選定プロセスの透明化を掲げている。
 西表島大原庁舎を巡っては、那根氏が博物館、世界遺産センター、町民ホールを同時に整備する現計画を支持。前泊氏は計画を見直し、適正規模での整備を進める方針を示している。
 那根氏は自民党を離党し、政党色を出さずに選挙戦に臨むが、出陣式では新たに町民1人5万円の給付金支給を打ち出した。西銘恒三郎沖縄担当相も応援メッセージを寄せた。
 前泊陣営は地元の保守、革新、中道勢力で選対を組織。那根氏に対し「バックに自民党をちらつかせ、いろいろなことを仕掛けている」と批判しており、両陣営の応酬は早くも過熱している。
 政治経験がない前泊氏は知名度不足が課題だったが、出馬表明が遅れた那根氏に先行して選挙態勢を構築。追う那根氏も急ピッチで支持基盤の強化を進めた。那根氏を含む12人の町議は6対6に分断され、各島では2氏の支持者が入り乱れる。情勢は混沌としている。
 町選挙管理委員会によると、有権者数は3月1日現在、3504人(男1814人、女1690人)。
 投票は17日、各島8カ所の投票所で行われる。石垣市に投票箱を輸送し、開票は翌18日午後2時から、市内の町議会議事堂で行われる。

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