県振興推進員会(委員長・玉城デニー知事)は10日、「新たな沖縄振興のための制度提案」の中間報告をまとめた。離島関係では新型コロナウイルス感染の広がりを受け、医療提供体制の確保など14項目を盛り込んだ。来年4月に最終案をまとめて国に提言し、2021年度末に期限を迎える沖縄振興特別措置法の延長を要請する。
離島関係の項目は(表)の通り。医療体制の確保のほか、公立病院・診療所の整備費への補助制度、看護師派遣を促す労働者派遣法の規制緩和などコロナ感染拡大を背景に体制の弱い離島医療の拡充を図る項目が4つになっている。
消防防災体制の強化、情報通信基盤の強靭化、福祉、教育の向上なども提言している。
提言は全体で118項目。米軍基地の負担軽減や自立型経済の確立など従来の課題に加え、コロナとの共生、SDGs(持続可能な開発目標)の推進など新しい問題の解決に向けた取り組みを示している。
分類別では国の財政措置を求めるのが95項目、税制の優遇措置を要請するのが23項目、要件緩和16項目、規制緩和9項目などとなっている。
県は市町村長や経済団体の意見を聞いて最終案を策定する。国に伝えて特措法の延長を求めるほか、22年度に運用を始める県の次期振興計画に反映させる。
特措法は国が地域振興を目的に年3000億円を超す一括交付金を県に助成する10年間の時限立法で、現行法は12年度にスタートした。提言は法が期限を迎える都度に策定して県の課題と政策をまとめて国にアピールし、法の延長を要請している。