新人の前泊氏初当選 刷新訴え那根氏に557差 44歳、復帰後生まれ初 竹富町長選

当選の一報を受けバンザイ三唱する前泊氏(中央)と支持者=18日、前泊氏の選挙事務所

 竹富町長選の開票が18日行われ、新人で元町職員の前泊正人氏(44)が新人で前町議の那根操氏(70)を557票の大差で破り、初当選を果たした。西大舛高旬前町長が汚職で辞職したことを受け、不祥事の再発防止や行政改革を誰に託すかが焦点になり、町民は政治経験がない前泊氏に町政刷新を期待した。町選挙管理委員会によると、44歳での町長選当選は史上最年少。八重山で、復帰後に生まれた初の首長になる。

 40代での町長選当選は1968年、当時49歳だった瀬戸弘氏以来、54年ぶり。
 元町職員が町長選に当選するのは2004年の大盛武氏以来、18年ぶり。前泊氏は両親が西表島祖納出身で、西表島関係者の町長就任は3代連続になる。
 町長選での557票差は2000年以降で最大の得票差。前泊氏は前町長の辞職直後から先行して選挙態勢を構築し、序盤から優勢ムードだった。
 知名度不足が最大の課題だったが、各島を丹念に回ることで若者を中心に支援の輪を広げ、若さとフレッシュさをアピールした。
 町内の選挙戦で保革対立は目立たなくなっているが、前泊氏は保守、革新層の有力者や公明党八重山連合支部の支持を獲得したことで町民の各界各層にまんべんなく浸透。序盤のリードを守り切った。
 最大の争点に浮上した西表島大原庁舎のあり方を巡っては、事業費が多額に上ることを理由に、前町政が進めた複合型施設計画の見直しと適正規模での整備を訴えた。
 那根氏は自民党竹富町支部の候補者擁立がもたついた影響で出馬表明が出遅れた。支持基盤である保守層の一部も離反し、終始劣勢を強いられた。
 西銘恒三郎沖縄担当相らの支援を受け、告示日には新型コロナウイルス対策として町民1人5万円の給付金を打ち出し、起死回生を図ったものの、及ばなかった。
 プロフィール
 前泊正人(まえどまり・まさと)1977年7月6日生まれ。九州共立大卒。民間企業勤務を経て2005年に竹富町役場臨時職員、08年に本採用され、水道課、防災危機管理課を経て教育委員会社会文化課課長補佐で町長選出馬のため退職。在石垣西表郷友会会長などを歴任。

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