「八重山みんさー織り」などの伝統工芸品づくりに取り組んでいる株式会社あざみ屋(新賢次代表取締役社長)は3日、石垣市内のホテルで創業50周年記念式典・祝賀会を開いた。新代表は「あざみ屋が50年を通じて得られたことは伝統と革新というワード。変わらない要素を大切にし、新しく登場する時の感性を捉えたものづくりの両方が大切」とあいさつした。
あざみ屋は1971年に新代表の父・哲次氏、母・絹枝氏が「あざみ洋品店」から織物業に業種転換して創業。昨年が50周年の節目だったが、新型コロナの影響で式典を1年延期した。
50周年のコンセプトを「伝統と革新の調和」とし、50周年のロゴマークも作成。記念して作られたアートパネルは石垣市の新庁舎落成にあわせて昨年贈呈された。
式典で新代表は「お客様に支えられ、歩んで来れたことへの感謝を忘れず、ライフスタイルの一部となるような製品作りをし、織物文化をお客様と共に育んでいきたい」と決意表明した。
勤続40年以上9人、勤続30年以上16人、勤続20年以上30人の職員計55人を表彰。受賞者を代表して勤続40年以上の當間千香子さん(71)=平得=は「苦労もあったが楽しさとやりがいを持ち、きょうまで続けることができた。今後は健康に気をつけながら向上心を忘れずに少しでも仕事が続けられるように努めたい」と抱負を述べた。
来賓祝辞で中山義隆石垣市長は「あざみ屋の歩みは市を代表する文化経済の歩みとも言える。自然と暮らしの中にある美しさを丁寧に丹念な手仕事で織りなすあざみ屋の、ますますの発展を祈念したい」とあいさつ。
NPO法人沖縄県工芸産業恊働センターの小橋川順市理事長は「一つの企業が生き続けるのは並大抵のことではない。みんさー工芸館の50年の発展はこれまで築かれた伝統と素晴らしい人材あってのこと」とたたえた。
記念式典後は祝賀会が開かれ、大浜一郎県議の乾杯発声後、スライドで50年の歩みを振り返るムービーが上映された。
アロハやエイサーの余興で祝賀会に花を添えた。
同社ホームページでは創業50周年特設ページも開設されている。