ヤシの実50個を投流 3年ぶり田原市から参加も

黒潮に乗ってヤシの実が届くようにと願って投げ入れる参加者=2日、石垣島沖(提供写真)
黒潮に乗ってヤシの実が届くようにと願って投げ入れる参加者=2日、石垣島沖(提供写真)

島崎藤村の詩「椰子の実」にちなみ、石垣島沖から黒潮の海流に乗せてヤシの実を流す「愛のココナッツメッセージ・パート35やしの実投流」(主催・渥美半島観光ビューロー)が2日午後、石垣島沖で行われた。新型コロナの影響でこの2年間は縮小開催となっていたが、3年ぶりに詩の舞台とされる愛知県田原市から14人が来島し、八重山住民と共にヤシの実を投流した。

出発前に行われたセレモニーで渥美半島観光ビューローの石黒功会長は「石垣島と渥美半島・田原市がヤシの実を通じて交流が続くことをうれしく思う。渥美半島に届くことを祈念したい」とあいさつ。
セレモニー後、八重山からの参加者も含め約30人がチャーター便に乗り込み、石垣島の西約50㌔の地点へ向かった。黒潮に乗って渥美半島に届くようにと願いを込め、田原市の山下政良市長の「せーの」の掛け声で、識別プレートのついた50個のヤシの実を投げ入れた。
初めて参加したという與那國光子さん(74)=竹富町=は娘の大場美穂さんが田原市出身の男性と結婚しており「伊良湖岬に届きますように」と思いを込めて投げ入れた。「今年第1号で申し込んで参加できて感動した。天気も良く、田原市の方とも交流し、毎年参加しましょうねと話ができて最高の日になった」と感激した様子で話した。
田原市にもたびたび訪れ、孫の美来(みらい)さん(3)が生まれた時には田原市で孫の通帳を作った。
流したヤシの実が鹿児島県以北で漂着して拾われると、発見者と投入者の数組が毎年4月の第1週、同ビューローから田原市の伊良湖岬へ招待される。
石垣市観光交流協会によると、これまでに今年の分を含め3744個のヤシの実が投げ入れられ、149個が漂着。渥美半島には4個がたどり着いている。最南端は鹿児島、最北端は山形で発見されているという。

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