任期満了に伴う県知事選挙(8月25日告示、9月11日投開票)に向けて、現職の玉城デニー氏(62)は11日、那覇市内のホテルで会見し、2期目に向けて出馬を正式に表明した。玉城氏は「離島に住んでいても生活環境がしっかり支えられる安全安心を創る。県知事として、あらゆる課題の解決に挑戦し、ぶれずひたむきに県民の暮らしと笑顔、県政発展のために、全身全霊で取り組むことを誓う」と決意を示した。
新型コロナウイルス感染拡大で打撃を受けた県経済の立て直しを重要課題として挙げ「命と暮らしを支える施策を重点的に進める」と話した。「誰ひとり取り残さない、沖縄らしい優しい社会」の実現に意欲を示した。
基地問題を巡り、「普天間基地の1日も早い危険性の除去は最大級の課題であり、機能を新たに加えて建設する辺野古新基地は断固として認められない」と強調。その上で「普天間基地は県外・国外への早期移設を含め、基地の機能の移転を優先させる整理縮小、閉鎖返還を政府に求めていく」と力を込めた。玉城氏は辺野古の新基地建設に反対する「オール沖縄」勢力の支援を受ける。
会見後、ぶら下がり取材に応じた玉城氏は、「1人でも多くの県民に考えを伝えることを一生懸命頑張っていく」と述べ、「課題を解決するには同じ熱量で語るべきだと思う。知事選では基地か経済かとよく言われるが、基地問題も経済問題も両方やらないとだめだということは明白だと思う。それぞれの政策を同じ熱量で最大限に温度を上げて訴えていきたい」と話した。政策発表の日程は参院選との絡みもあるとして、「後援会と相談して決めたい」と明言しなかった。
県知事選には自民党沖縄県連が佐喜真淳前宜野湾市長(57)の擁立を決定している。玉城氏は佐喜真氏の印象について「豊富な政治経験があり、政治に熱心な印象がある」と語った。
玉城氏が正式に出馬を表明したことで、前回(18年)と同じく玉城氏と佐喜真氏の両氏を中心に選挙戦が展開されていくとみられる。
玉城氏はうるま市出身。タレント活動を経て沖縄市議となり、2009年から18年まで衆院議員を務めた。翁長雄志前知事の死去に伴う18年の知事選で初当選した。