ガソリン高騰 実態把握へ キビ収穫遅れ、1千万減収も 市議会一般質問

 石垣市議会(平良秀之議長)6月定例会の一般質問が13日から始まり、初日は米盛初恵、長浜信夫、箕底用一、前津究の4氏が登壇した。離島のガソリン価格が沖縄本島に比べ高止まりしていることについて中山義隆市長は「さまざまな補助制度が入っている中で本来なら同等の価格になるのが理想だが、そういう状況に至っていない」とした上で、実態を把握し、国、県に離島特有の不利性を解消するよう要望する考えを示した。

 箕底氏は、ロシアのウクライナ侵攻などを受けた原油高騰の中、八重山のガソリン価格が本島に比べ1㍑当たり20~30円高い水準で推移していると指摘。
 政府が沖縄のガソリン価格軽減のため、揮発油税の軽減やガソリン輸送費の全額補助に取り組んでいる中で「異常としか言いようがない。先島全体としてこの問題に取り組む必要がある」と追及した。
 棚原長武農水商工部長によると、過去に県が実施した調査で、離島では人件費や島内陸送などのコストがガソリン代に加算されていることが判明している。西銘基恭商工振興課長は、県が今年度、石油製品の輸送費補助などに関する実態調査を予定していると報告。「県の実態調査に協力したい」と答弁した。
 前津氏は、長雨によるサトウキビの収穫遅れについてただした。棚原部長は「今期のサトウキビは過去に例を見ない収穫遅れで混乱をきたし、農家全体で約1千万円近く減収する恐れが懸念されている」と明らかにした。
 棚原部長によると、11日時点で原料は約9万6千㌧が収穫されているが、約2千㌧が未収穫。5月中旬以降に搬入された原料約8300㌧のうち、約65%の平均糖度が収穫遅れの影響で12度以下に低迷しており、トン当たり価格が2000円以上減収する可能性がある。
 前津氏は「農家に交付できる何らかのメニューはあるのか」と補てんの検討を求めた。松川英樹農政経済課長は「補てんの補助制度は国、県を含めない。石垣島製糖やJA、農業共済などを交え、早急に対応を協議したい」と応じた。
 肥料価格高騰対策として、国の臨時交付金を活用し、牛糞完熟堆肥の活用を進める考えも示した。

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