OKINAWA考古学(13)

まいぞうくん


前回の沖縄の海域で遺物を拾うのが危険なのかという問題提起の続き。沖縄がかつて日米の激戦地となっていたからだ。つまり、不発弾が今なお多く、むやみに触ると危険だからだ。
 実際、2011年6月には那覇空港の手荷物検査で修学旅行生がバッグの中に機関銃の弾丸を持ち込み、金属探知機に引っかかり、警察が出動する騒ぎとなっている。調べに対し「座間味島付近の海岸で拾った。珍しいのでお土産に持って帰ろうと思った」と、旅行生は語っている。
 この事件が契機となり、沖縄県警では注意喚起のポスターを作成。依頼を受けた那覇空港では、ゆいレール那覇空港駅との連絡口に貼り出している。沖縄を訪れた方なら、一度は御覧になられたのではなかろうか(写真1)。それにしても、知らないというのは恐ろしい。

写真1


那覇空港ビルディング総務課によると、啓発が周知徹底されたことにより、現在は徐々に枚数も減らしつつあるとのことだが、気は抜けない。というのも、沖縄戦では陶器製の手榴弾や地雷が使われていたからだ。
 金属探知機にも引っかからないので「地上での発掘の際にはスタッフに口を酸っぱくして注意している」(沖縄県立埋蔵文化財センター・亀島慎吾主任)。幸いにも海中で見つかった事例は今のところ無いが、仮にあったとしたら、サンゴやフジツボが付着している可能性が極めて高い。
 なお、那覇市立壺屋焼物博物館には、陶器製の手榴弾が、米軍が証言を基に制作した陶器製地雷のレプリカともども展示されている。「割れていない古代の壺か皿かもしれない」などと思って拾ってはいけないという理由がお分かりだろう。
 防衛研究所史料室によると、「金属製の手榴弾が半径7メートルの人員を殺傷するのに対して、陶器製は3メートル」とのことだ。那覇空港でも検査スタッフが目を光らせているが、まずは持ち込まないに限る。しかも、この話には怖い続きがあるのだ。(続く)

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