県環境部(大浜浩志部長)は15日午後、ユーグレナ石垣港離島ターミナルで、世界自然遺産推進地の西表島の自然保全や観光マナー向上を図ることを目的とした『西表島マナーブック』の完成と、今後の普及活動について発表した。大浜部長はあいさつで、「マナーブックを一読することで、自然の大切さに配慮するきっかけとなれば」と願った。西表島には約32万人(2017年)が観光客として訪れている。
マナーブックは10万部発行され、西表島の全世帯に配布され、西表島への観光客等に配られる。次年度中には英語、中国語版などの多言語翻訳もしていく予定。
記者発表にはマナーブック作製に携わった竹富町(西大舛髙旬町長)関係者と協賛企業が参加。西大舛町長はあいさつで、「世界自然遺産登録実現へは、制約をかけつつ守るべきは守らないといけない。入域制限や外来種の撤去なども課題」と強調した。八重山観光フェリー㈱(大松宏昭代表取締役社長)の黒島一博常務取締役は「職員は一つの基準をもって観光客からの質問に答えられるし、(マナー違反への)注意もしやすくなる」と有用性を述べた。
日本トランスオーシャン航空㈱(丸川潔代表取締役社長)は機内誌「Coralway」の1~2月号から、マナーブックの紹介記事を1年間にわたり掲載、機内への搭載も予定している。㈲安栄観光(森田安高代表取締役)は乗船券購入時に手渡しを行い、石垣ドリーム観光㈱(丸尾剛代表取締役)は店舗内での設置を行う。
『西表島マナーブック』は島民へのヒアリングを行い作製。野生動植物保護のマナーだけでなく、「御嶽や墓に入らない」「家をのぞかない」など、地域住民の生活に配慮するよう促している。
また、昨年のイリオモテヤマネコ交通事故件数が過去最高の9件となっているが、第1章の西表島マップには「運転注意エリア」も示し、注意を喚起している。
記者発表後には、関係者らが離島ターミナルで直接、ターミナルに着いた客、乗船待ちの客らにマナーブックの配布も行なった。