石垣ケーブルテレビの北部地区撤退に伴い、石垣市は5日午後、伊原間中学校体育館で加入世帯や周辺住民向けの「北部地区地上デジタル放送難視聴対策事業」に関する住民説明会を行った。市は地デジの新たな共同受信施設を伊原間地区に整備し、加入世帯は同社撤退後も個別の工事なしに簡易な設定のみで地デジ視聴を継続できると説明した。
市が整備する共同受信施設は地デジの共同アンテナ、電波の増幅器(ブースター)、電波を光信号に変換して各家庭に送信する装置を備える。各家庭への送信にはケーブルテレビが整備した既存のケーブルが使われる。共同受信施設は石垣市消防署伊原間出張所に設置される予定で星野、大里、伊野田、大野、伊原間地区周辺がカバーされる。
市によると北部地区では約50世帯が石垣ケーブルテレビの有線放送でNHKや民放の地デジ放送を視聴している。
小切間元樹企画部長兼DX課長は「6月の市議会で予算が無事承認されたので、石垣市で共同受信施設を整備する。無償で継続してテレビが見続けられる環境が整った」と説明した。
加入世帯に対する市からの依頼として、➀12月28日までは石垣ケーブルテレビとの契約を継続➁バラエティチャンネルを契約している世帯は必ず基本チャンネルプランへ変更➂12月28日に深夜に工事が行われるため、29日以降にテレビのチャンネル設定の変更➃北部ブロードバンドサービスに加入している世帯で、引き続きインターネットサービスの利用を希望する場合はNTT西日本が提供しているインターネットサービスへの切り替え手続きを―と伝えた。
石垣ケーブルテレビの太田裕人技師長は手続きの流れなどを説明。撤退の理由についてはテレビの視聴形態の変更や加入者の減少、作業員の人材不足を挙げ、「大変ご迷惑をおかけして申し訳ない」と陳謝した。
NTT西日本からインターネット移行についての説明もあった。
参加者の男性は「説明を聞いて特段問題なさそうなので安心した。特に不安に思うことはない」と一定の理解を示した。