八重山ゼロマラリア達成の碑建立期成会(仲原清正会長)は20日、伊野田農村公園内に建立した同碑と、マラリア根絶の歴史を記述した説明板の建立記念式を開催。世界的に意義深いマラリア根絶を達成した八重山郡民の業績を顕彰した。式典はチームヤエヤマゼロマラリア(斉藤美加会長)との共催。
戦後、八重山では官民と米国当局が連携しマラリア撲滅対策を実施。1962年に世界に先駆けて一掃(ゼロマラリア達成)したたため、期成会は60年目となる今年、対策の拠点だった伊野田地域に碑と説明板を建立した。
元伊野田公民館長の仲原会長らが2021年同期成会の準備会を立ち上げ、その後、斉藤氏が伊野田公民館でマラリアについて講演。今年1月に期成会が設立され、建立資金を募金で集めた。募金は個人113人、26団体から19日までに159万円が集まった。
さらに説明板の設置を目指し、琉球大学とチームヤエヤマゼロマラリアは今年2月からクラウドファンディングを開始。152・6万円(101人)を集めた。また、寄付金62・9万円(55人)も集まった。
式典では、冒頭に参加者全員がマラリア犠牲者に黙とう。除幕後に経過報告を行った。続いて、琉大側から伊野田公民館に説明板の目録が渡された。また、マラリア治療薬の原料となる樹木・キナノキが、沖縄美ら島財団から期成会と八重山農林高校に贈呈された。
碑と説明板建立に関わった業者や関係者・団体、高額寄付者に感謝状が期成会から送られた。
仲原会長はあいさつで「マラリアのない平和な世の中を祈る場に(伊野田農村公園が)なることを願う」と述べ、同公民館の玉城政時館長は「説明板や達成の碑の建立で多くの人が(公園を)訪れると思う。マラリア根絶の歴史を知ってもらえれば」と期待した。