石垣市は「尖閣諸島開拓の日」の14日、市民会館中ホールで式典を開き、国会議員や市民など、約100人が参加した。通常開催は3年ぶり。尖閣諸島開拓の日は尖閣諸島が歴史的にも日本固有の領土として、より明確に国際社会に対し意思表示し、国民世論の啓発をはかるために制定。中山義隆市長は式辞で「まぎれもなく尖閣諸島は日本固有の領土としての歴史的事実がある」と強調した。
式典で、中山市長は近年中国公船による領海侵入等が常態化し、近年は中国海警局に所属する船舶が日本漁船に近づこうとする事案が多発していると指摘。昨年の領海侵入は延べ103隻、接続水域での確認日数は336日に上ると報告した。
昨年1月31日から行われた石垣市周辺海域実態調査では、尖閣周辺海域で視察をし、「緑が少なく、ヤギの食害が進んでいると推測する。早急な対策が必要」と引き続き国に要請していく考えを示し、今年度も調査の準備を進めていると説明した。
離島ターミナルに設置されている石垣市尖閣諸島情報発信センターではパネルや歴史的資料、ジオラマなどを常設展示しているとして「尖閣諸島への関心を深めてほしい」と呼び掛けた。
玉城デニー知事(代読・池田竹州副知事)は「中国海警局の船舶が頻繁に接続水域を航行し、広く県民に不安を与え、日中の友好関係に影を落とすものである。冷静かつ平和的な外交で1日も早く解決されることを望んでいる」と述べた。
自民党の岸田文雄総裁(代読・西銘恒三郎衆議院議員)は「我が国の領土領海領空、国民の生命財産を断固として守りぬくことを約束する。中国の軍事的活動に深刻な懸念を示した。我が国にとって望ましい安全保障環境を作るための外交的努力を進め、裏付けとなる防衛力を抜本的に強化したい」とメッセージを寄せた。
立憲民主党の原口一博衆議院議員は「この地域に領土問題はない。独自の主張をして領海に入ることは断じて許されない」と主張した。
そのほか日本維新の会の鈴木宗男参議院議員、国民民主党の榛葉賀津也衆議院議員、NHK党の浜田聡参議院議員の国会議員もあいさつ。石垣市議会の我喜屋隆次議長、八重山市町村会副会長の前泊正人竹富町長、内閣官房領土・主権対策企画調整室長の渡部良一内閣審議会も登壇した。
尖閣諸島の歴史や自然環境などをまとめたビデオ上映が行われ、拓殖大学名誉教授の下条正男氏による「尖閣諸島が中国領でない理由」と題した講演会が行われた。
尖閣諸島は石垣島から北西に約150㌔㍍に位置し、魚釣島、南小島、北小島、久場島、大正島、沖ノ北岩、沖ノ南岩、飛瀬などからなる島しょ郡。1895年1月14日に日本領土に編入され、沖縄県の所管になることが閣議決定されている。